good communication ×8

①体育座りの親友

・大学2年生の一時仲良くしていた人と久しぶりにまともに話して、私の友達の名前をだすと「ああ、親友のね」と言われた。「記憶の死ぬほど片隅」にあったんだって。記憶の死ぬほど片隅に追いやられた、私の友を思って、笑ってしまった。きっと体育座りなんかして、折りたたまれていたんだろうね。青年のパンチパーマの脳みそに、しまわれていた私の親友。

 

②ストーブもうつけた?

・卒論大炎上してるよのLINEの返事が、今寒いからあったかいほうがいいよ、だった。

 

③管轄外の愛と対照実験

・あの人いつみかちゃんのこと、好きだったらしいよと言われた。この世に私の管轄外の私に寄せられる愛があるとは、知らなかった。一度会話しただけな気がしたと言うと、原因が追究しやすいねと、理系の女の子は言った。なるほど。

 

④僕らはいつも

・動物園の写真を送ると、いまクッキー缶をとりにきたとこ、と教えられた。ひとつも会話は成り立ってないけれど、通じ合っている母子。

 

伝書鳩

・生徒からタレコミで、あの先生がいつみか先生と今度ごはんに行くの楽しみにしてたよと耳打ちしてくれた。わたしもごはん行くの楽しみなんですって返事をした、生徒に。先輩とごはんに行けたらあとはもうバイトやめてもいい。(サークルをやめたのと同じ経路)

 

⑥コンビニ寄って帰ろうよ

・「肉まん」「おまんじゅう」に喩えられたことはあるのに、「マシュマロ」は喩えられた前例がないことをたのしく話そうとしたら、いやマシュマロに中身はないし、肉まんとおまんじゅうはあたたかくて中身がぎゅっとつまっていて、断然良い、と思いがけず励まされてしまった。友に素早くレンチンされた私の心。友だちは要領が良いとバイト先でも定評がある。

 

⑦あのときばかりは家族

・トイレで手を洗っていると、「これハーブかしら」という声が前に置かれた。ハーブでしょうか、たまごみたいなつるんとしたおばあさまは横にいた。ハーブじゃないかもしれないですね、ハーブのにおいかもしれないですね、ドラッグストアの入り口まで、そのままいっしょに歩く。アルコール消毒は忘れないようにね。そうですね、ええ。

チンパンジーのコミュニケーション

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