図書館の一隅より

1月ももう8日。私は相変わらず。

 

卒論は書いても書いても抜け穴がでてきて、抜け穴を封じるために、たしかなことばでつなごうとするのに時間がかかってしまう。

今は図書館の一隅にいて、12月の会話を思い出したから書き留めておく。

まわりの人は、熱心にレポートをぱちぽち打っていると思っている。

 

「あなたが楽な道を選べばいい」

これは、大学をもう一年いることに決めた友人が、教授に言われたらしい。友人はずっと気をはりつめていて、水面下に冷たい苦悩がいくつもあったようだった。これは大丈夫な欠片、と分け与えるように、少しずつ話してくれたのだけど、点と点がつながって、ああそういうことだったんだなと自然と腑に落ちた。これまで気づかなくてごめんね、というのは、ラインに打ったけれど、送らなかった。どうか、刺さったままの残りの欠片も、少しずつ誰かにわたせますように。誰かは私でも、私じゃなくてもいいから。「楽そうな道を選べばいいんだって」と唱えていた、私も心の中で追いかけるように。「余裕があるときにやさしくできればそれだけで十分だよ」というのは、自分に言い聞かせるように。

 

今年も無事集まれたので、友人らとのクリスマスパーティは大学4年間を通したイベントとなった。卒論やら自分やら最近のことを嘆くと、友人は器用に車を運転しながら、片手間で答えてくれた。

「結局中途半端にするのも苦しいと思う」、う~んと前置きに唸りながら。

そのあとはケーキを食べたりお肉を焼いたりカードゲームをしたりで忙しくて、この言葉にかまう暇はなかった。

 

1月6日のメモ、「楽そうな道は楽じゃない」。

去年のタスクを並べると、1月~7月就活、8月~9月教育実習、10~12月卒論。いつも隣りになんともかわいくない現実課題があって、寝るときもごはんを食べるときも横にいながら暮らしていた。

けどきっと、もうちょっとかわいがってうまく付き合う方法だってあったはずで、これは今後の課題。

楽だと思って逃げて選んだ怠惰な自分は、あんまりかわいがれなかった。不器用だし、効率が悪いがんばる自分のほうがまだ好きだなあ。

 

ということで今年は。

12月の注意書き、「逃げると頑張らないは違うよ」。

ぐっと力をいれるところは、力をいれて握りしめて。大切なものは離さないでいて。

 

音楽メモ

1月の雪と卒論のやわらかな難しさとカネコアヤノはとびきり合う。

カネコアヤノが旬の季節です。今聞くと、いつもよりおいしいよ。

今日は帰って鯵を焼こうと思います。