会社の同期と飲み会より、よっぽど祖母とタリーズに行くほうが楽しくて、それってえばっていいのかわからない。席替えしたあとの卓では共通の話題もつかみどころもないまま、方言とNHKの教育番組の話が永遠に続いた。とりあえず口に放り込んだ焼肉はいっこうに噛み切れない。どこからかくる所在のなさは、大学の飲み会を彷彿とさせて嫌だった。帰ってみた鏡の中には、化粧がくずれて髪がぐちゃぐちゃのわたしの顔があって、こんな顔でお話してたわけ?お酒飲んでたわけ?とややへこむ。遠距離恋愛をする同期にほうった言葉が、時間差でわたしの元に帰ってきて、目の前にどんどん広がってった。爪楊枝には、噛みきれなかった肉の破片がついてた。