おでんとパフェをいっしょに食べる

はじめて琵琶湖をみた。湖なのだから、もっと水たまりのようなものだと思っていた。光を十分にきらめかせ、まわりをぐるぐるとさせるほどに人を引き寄せ、風から波をおだやかにたたせるそのさまは、海からおぞましさを失わせた、天国にある海のようだった。

音楽は聴かれなきゃ意味がないというバンドマンの言葉に異を唱えた友人と、人は社会からどう思われているかが重要なのだとたしなめてくれた友人は、本当におなじ人なんだろうか。音楽は聴かれてはじめて成立するのではなく、聴かれない音楽にも美学があり価値を見出せるなら、社会からそう捉えられていなくても、自分がみとめる自己にも感情があり、無視はできないと思う。いつも貴方はあかるいからと言ってくれたやさしさも、理解できるけれど。

(何に対してという目的が抜け落ちているからズレているように聞こえるだけ。商業的な目的であるならば、音楽はきかれなきゃ意味がないし、人は社会からどう思われているかが重要なのだ。でもそれって悲しくない?)

マイクをななめに回しまくり、ギターをなげ、手当たり次第にパンクロックをコピーしていた、正月あけに今おすすめのバンドを教えてくれと話した、銀行員と公務員と大学生をあきらめた彼らは、タワレコあいみょんの横にいるらしい。海外をまわっていた同級生は、もう大学をやめてしまうらしい。したいことがないから、学びたいことがわからないと。

もう縁が切れたかもしれない、大学のグループLINEで、お誕生日おめでとうと送ったら、ぽんぽんとメッセージが続いてうれしかった。仕事って全然楽しくない!と泣き笑いの顔文字。

母にずっと怒られていた。母の自己肯定感の低さとわたしの自己肯定感の低さはおそらく、ほとんどおなじ形でしょうね。いつまでも、都合よく気にしてもらえると、都合よく可愛がられると、都合よく許されると思ってはいけません。

(読み合わせがわるい文章だけど、おでんとパフェを交互に、おいしそうに食べている少年をみて、すごく良いね!と思った。)

 

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