やんわり四面楚歌

 高校の同級生が、夜職をしているのを知ってやるせない。1週間で手にはいるお金が、昼職では1ヶ月かかるんだって、ばからしいね。

 大学のころ、社会人になった先輩と飲んだとき、毎日怒られてばっかだ、給料全て使い果たしたいと嘆いていたのが、鮮明に近づいてくる。思えばわたしの周りにいた社会人なんて、仕事が向いてないひとばかりだった。朝礼の挨拶がなにより嫌なひと、窓際社員のようなひと。わからなかったことが、わかるようになってしまった。キーボードの上に置いてある手がぼんやりとする。銀行員と公務員になった先輩は、もう春に仕事をやめてバンドをしてる。

 やっぱり不景気なんだなって感じる場面がふえてきて、使い回された言い方だけど、ちょっとずつ沈んでく船にみんなで乗ってるみたいなもんよね。

 夢のなかのわたしが、大きな声で怒っていて、目覚めたらすっきりしていた。わたし怒りたかったんだ。でもいつまでも子どもみたいなのやめたいな。