あるいは朗らかに

2019/8/16

久しぶりに会う友だち、はじめて会ったときは16歳だったらしい、もう20歳になってしまった。大人になって酸いも甘いも知ったとき今日と同じように笑いあえるかな。高校卒業時に、よく聴いていた音楽。わたしはあの教室が今でも大好きだ。

 帰んないでよ、という友だちの言葉、変わってしまった実家の家具、最寄りの駅のたくさんの自転車。あの中にわたしの使う自転車は絶対にないんだ。青いリボンの制服を着る少女たちとすれ違う。わたしのいないところで世界は回る。あの教室のわたしの席にはほかの女の子が座ってる。お腹の底から笑う友だちの声。いつまでも同じ温度を共有できたらいいのにね。あのまま、ずっと。

 

3年ほど顔をあわせてなかった旧友たちとの再会、つぎの約束までして、楽しいと嬉しいの間の感情にゆれながら、終電で帰った。

大衆居酒屋で鍋を囲み、ゲームセンターのぬいぐるみをみて、IKEAで買う気のない家具をみた。まぎれもなくあの頃のわたしたちだった。ここは東京で、もう23歳で、明日は会社で。それでもずっと着ていたセーターとか、熱量のすごい担任とか、文化祭で大統領のお面をかぶったこととか、塾で答えたsprig has cameとか、そんなことばかりが頭をよぎっては口に出して。今でも校訓をむねにだきかかえて、生きてこうね。青いリボンがなくたって私たちは一番いとおしいのだから。