生活 in the red

ひさしぶりになんの予定もない、ふつか休みだったから、とりあえず美容院にいった。美容院で髪を染めた。春になると自然と軽い色にしたくなって、毎年なんだかんだ気持ちがわたしを追い越して浮き浮きしている。それから悩んだ挙句、3月越しにバーに行くことにした。はじめて一人で行ってから、またきますと宣言して以来、自転車で前を通ることはあれど、いくべきときがこなくて行かずじまいだった。この機会を逃したら後悔する気がしたから門を叩いた。相変わらずおいしいお酒と広く、浅く、たまに深いような話をして、時間はすぎていく。

そんなに質問しようとしなくて大丈夫、と言われて痛いところをつかれた。背中が少し熱くて悲しかった。中学生のころ、そんなに八方美人になろうとしなくていいんだよ、と言われたのを、言った旧友の背後に迫る階段のピンク色を思い出した。わたしってなんだか、空っぽになってきたのかしら。

好きな音楽を聴かれて、これというのを答えられない。情けなくなった。自転車でさーっと帰って、コンビニに寄ったけどなにも買わなかった。わたしが炊いたごはんの味は美味しくて安心した。しばらく、バーには向かわないだろうな。

起きて日曜日。柴田聡子のどこへも行かないでをくりかえし聞いた。わからないけど、この気持ちは知ってる気がした。投票に行って植物屋さんに行った。裏側が真朱色の葉で、おもての葉は光をあびるとラメみたいにきらきら光るのが気に入った。抱きしめて帰る。1週間分のもろもろを買って、陽が傾いた部屋に戻ると、植物の葉は日の光のほうを向いていた。裏の真珠色がさっきより見えてぞっとした。植物からしたら、わたしがたんたんと弁当をつくる姿が怖かったかもしれない。

寝て起きたら月曜日だ。やっぱり働きたくないけれど新しい家具を買っちゃったからそのぶんは取り返さなくちゃならない。

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